題 『かけがえのないいのち』 |
どんなに辛くても、どんなに苦しくても。 それでも、それでも生きて下さい。 私たちの住む世界は、事件が絶えず、事故や病気などでたくさんの人々が命を落としています。 その中でどうしても納得できないのが、自殺。 皆さんも知っているでしょう。世の中にはどんなに生きたいと願っても、生きる事の出来ない人がいるということを。それなのに何故、まだ命のある人が、まだ未来のある人が自ら命を絶つのでしょうか。 私には、19歳で命を落としてしまったいとこがいます。白血病でした。15歳で発病し、決まっていた高校にも行けず入退院をくり返して辛い治療にも耐えていたいとこ。抗癌剤の副作用で髪の毛が抜け、口の中がただれて流動食しか食べられない状態になっても、それでも彼女はいつも笑顔を絶えず、白血病という病と闘い続けました。高校に行って、やりたい事もたくさんあっただろう。もっと生きたかっただろう。色々な所へ行って、楽しみたい事だってあったはず…。それでも、生きる事が許されなかった命。 また、私には小学校入学を目前にして交通事故にあった親戚もいます。彼は6歳で命を奪われました。ひき逃げだったのです。その時のひき逃げ犯は、未だ捕まっていません。一緒に買いものに行った彼の兄は、弟の事故を目撃したそうです。幼い2人の人生を変えたその犯人は、のうのうと笑って暮らしているのでしょうか。そう思うと、私は心底腹立たしい。人の命を奪った重大さをもっと感じてほしいのです。 生きたくても、生きる事が出来なかった。そんな人が世界にはたくさんいる。 それでもなお、死を望む人がいます。 生きる事が辛いですか。 生きる事に疲れましたか。 どんな理由があったとしても、自ら捨ててしまう命があって良いのでしょうか。 死はそれだけで、周りの人を悲しみに突き落としてしまうではありませんか。 生きている過程の中には、辛い事も苦しい事もある。1パーセントの希望かもしれない。99パーセントの不安かもしれない。でも命があるだけで、私たちは幸せではないでしょうか。 ですが、そう言う私自身、命について偉そうな事を言えるのだと思っている訳ではありません。 毎日「ありがとう」と祈って生活している訳ではありませんし、強く生きているなんて思ってもいません。立ち止まる事も、逃げ出したくなる事もあります。でも、このままではいけないと思うのです。 人は誰もが皆、いつかは死ぬのです。だからこそ、人の命を奪ったり自ら絶ってはいけないと思うのです。 そうです。死んでも良い訳がありません。生きる努力をする事が大切なのだと思います。 では、私に何ができるでしょう。私は、一人でも多くの人の苦しみや悲しみをわかってあげたい。そして少しでも多くの自殺を減らしたい。楽しい事、嬉しい事、悲しい事、辛い事…たくさんある中で、強く優しく生きる努力をしたいのです。そしてそんな人がこの世界に増えていったなら、素敵ではないでしょうか。生きたくても生きられない人の分まで生きる。そういう心が大切なのです。 私の心に、そして皆さんの心に訴えます。 生きて下さい。 生きたくても叶わなかった命、生きたいと病と闘った命を忘れないで。そして自分がここに在ることを誇りに思って下さい。 私はそう胸に刻んで、命の一瞬一瞬を大切にして生きて行きたい。 |