おとなが変われば子どもも変わる運動
大人が変われば子どもも変わる運動

 この運動を提唱するに至った背景には、凶悪な犯罪の発生や問題行動の多様化など、これまでになく新しい様相を示すようになった青少年の問題行動があ ります。これらの問題には対症療法を施すのではなく、青少年育成の原点に立ち返った取り組みを進めていかなくてはならないと考えます。
 戦後、わが国は豊かで自由な社会をつくり出し、私どもは、それを享受して参りました。しかし、その一方で、物やお金重視、利己主義や享楽的な風潮が社会に広がり、社会全体の規範意識が低下してきたことも否定できません。
「子どもは、社会を写す鏡」といいますが、大人自身の生き方とその大人がつくり出した社会のあり方が、子どもの心に歪みを与え、今日の青少年をめぐる深刻な問題が生まれていると考えられます。
 このような状況のなか、必要なことは、親や大人が自分自身を見直し、自らの生きる姿が、子どもたちの目にどのように写り、その心の成長にどのような影響を 与えているかを考え、姿勢を正していくことであるとの認識の下、「大人が変われば、子どもも変わる」をスローガンに掲げ、青少年の心を育てる大人の輪を広 げる運動を推進することと致しました。その内容は、次の3つの取り組みであります。

@"まず、大人自身が変わらなければ"と気づき行動することを呼びかける啓発活動
A"地域の子どもは、地域で守り育てる"を合言葉に、子どもたちを温かく見守り支える「地域のおじさん、おばさん運動」の推進これからの時代に求められるモラルや人の生き方などについて協議研究し、その普及を目指す活動
 この運動を地域に根づいたものとするためには、それぞれの地域や団体が「大人のどこを、どのように変えるのか」等について話し合いを重ね、その気づきの中から独自の実践目標をつくり上げていただくことが大切であります。

大人が変われば、子どもも変わる
〜見ていますよ。大人の行動、その行為〜
「子どもは社会を映す鏡」です。まず、親や大人が子どもたちの模範となる行動をしましょう。
1.自分自身を省みて、子どもの手本となるように
  自分自身を振り返り、過剰な利己、個人主義は見直し、子どもたちの手本となるようにしたいものです。
2.子どもたちと正面から向き合い、対話を
  子どもたちの気持ちをくみ取るためには、まず、話し合うこと。善悪の判断力、いのちや自然を思いやる心を育んでください。
3.子どもたちを取り巻く環境を見直し、その改善に
  地域環境を点検・見直し、子どもたちが安心して生き生きと過ごせるよう、好ましくない環境に対しては、改善のため積極的に発言・行動していきましょう。

◇子どもたちに積極的に声かけをする。
 良い行いを目にしたときは、ためらわず褒めてあげる。
 危険な遊びやルール違反には、見て見ぬふりをせずに注意しましょう。
●うちの地区は、大人も子どもも、交流が多いと思う。朝、学校に行くときは、”いってきます””いってらっしゃい”。
帰ってくるときは、”ただいま””おかえりなさい”などの言葉が飛びます。あいさつをすると気持ちがいいし、うれしくなります。(中3)

◇子どもたちの立場で考えてあげる。
 子どもが困っているとき、苦しんでいるときこそ、良き理解者、親身な相談相手でありたいもの。
●私は、つらいことや悲しいことなど、お母さんに話します。お母さんはいつも私の立場になって考え、アドバイスをくれます。「○○がつらいときは、いつでもおいで。お母さんの相談窓口はいつもあいています。」私は、この言葉にいつも救われます中3)
◇子どもたちを事故かや犯罪などから守る
 地域に事故につながる危険な場所はないですか。子どもを誘惑したり、犯罪に巻き込む恐れのある場所はありませんか。そういった観点から地域の環境を再点検してください。

こどもたちの安全・安心を確保する「子ども110番の家」や「地域パトロール活動」等を強化しましょう。
◇情愛の気持ち・独立心を育んであげる
友達と遊び、自然や動植物とのふれ合い、異年齢グループの中での活動などは、健やかな心や体を育むうえで欠かせない体験です。
子どもたちがのびのびと活動できる機械を積極的につくってあげましょう。

◇良いことは率先して行う
●私達は大人の背中を見て成長して行きます。大人がきちんとした行動をとっていなければ、その姿を見て育った私達もその大人のようになってしまうと思います。これから先、”いい生き方”をしている大人に出会えたらいいなと思います(1)