![]() ![]() 留萌地区 苫前町立古丹別中学校 1年 題 『強く生きるために』 |
新たなステージに向けて、希望に胸を膨らませた春、三月十一日。今までに誰も経験したことの ない世界最大級のゆれと、その後に襲った津波。 日本中を悲しみのどん底に追い詰めた東日本大震災。 私は、決して忘れることはできません。街は壊滅し、死者、行方不明者二万人以上。 悪夢のような惨劇が連日、テレビや新聞で報道されました。多くの尊い命が、波にのみこまれ、 一瞬にして失われたのです。多くの人々が、夢であってほしいと祈ったに違いありません。 私は、これまで、命の重みや、ありがたみを深く考えた事はありませんでした。 しかし、今回の大震災で生きることについて改めて考えさせられました。 私は、小学校四年生の時と五年生の時に、続けて祖父と曾祖母を亡くしました。 身近な家族の死を目の当たりにした私は、ただ家族と共に泣き崩れていました。 特に祖父は、私が生まれた時から、生活の大半を一緒に過ごしていたため、 たくさんの思い出が蘇り、現実を受け入れることができませんでした。 明日にでも旅行から帰ってくる気持ちにさえなりました。どんな状況であろうと、 人の死は悲しく、辛いものです。まして、心の準備も覚悟もできぬままに家族や 友達を奪われた人達にとっては、私の悲しみより、何倍も何十倍も悲しく、辛く、 心が張りさけるほどの痛みだっただろうと思います。 ある被災地の映像をテレビで見ていた時の事です。祖母と避難所生活をしていた、 私と同じ年代の男の子の言葉が耳に入ってきました。 「両親が亡くなって寂しいけれど、両親の分も生きて・・・前向きに過ごしていきたい。」 過酷な状況であるのに、現実を受け止め、健気に答える姿を見て、 私は涙が止まりませんでした。同時に驚きもありました。絶望の淵におかれてもなお、 希望を捨てずに、もう、「これから」の事を考えていたのですから。 私は、この少年の強さのもとは何だろうと考えました。 周りの人の支えや励ましによる力、自分自身の気持ちを奮い起こそうとする力、 生き残った人間の命を守る力。私は、少年の生きる強い力を感じました。 このことがあってから、私は改めて、人と人との関わりについて考えました。 避難所生活を送っている人達は、周りの支えに感謝し、前向きに生きることで それに応えようとしていたのではないでしょうか。あの少年も、 きっとたくさんの人との関わりの中で、生きる勇気を与えられ、 希望をみいだすことができたのではないかと思うのです。 私も、これから新たな挑戦をしたり、大きな決断をすることがあると思います。 そんな時に、きっと周りの人の支えが必要になると思います。そして、私自身もまた、 他人に生きる勇気や希望を与えられる人になっていきたいと思います。 震災から学んだこと、それは人と人との関わりです、人は、必ず誰かに支えられ、 助け合いながら生きています。だからこそ、私は思いやりや感謝の気持ちをもち、 人と人とのつながりを大切にしたいです。そして、その少年のように、困難があっても、 現実から目をそらさず、強く生きられる人になりたいと思っています。 |