優秀賞(北海道青少年育成協会長賞)



上川地区 旭川市立神居東中学校 3年 若 林 千 夏 わかばやし   ちなつ 

題 『誰かのためが笑顔を生む』

  旭川市では毎年六月に常磐公園で護国神社祭というイベントが催されています。 私は中学一年生の頃、友達とこのお祭りを楽しんでいました。すると突然、 前を歩いていた人がペットボトルを投げ捨てました。あれ?私は動揺して友達と目を見合わせました。 ポイ捨てはダメとわかってはいても注意する勇気も拾う正義感もなく私はその場を後にしました。
  帰宅後、父が私にこう言いました。
 「お祭り楽しんだかい。明日そのゴミ拾いに行くから早起きをしなさい。」
それを聞いた私は、なんで誰かのゴミを早起きまでして拾わなきゃいけないの?という思いでいっぱいでした。
  翌朝、嫌々公園へ行った私は辺り一面ゴミであふれている光景に言葉を失いました。 私は嫌だった気持ちを忘れ黙々とゴミ拾いをしました。途中で会った散歩をしている方に
 「ゴミ拾いなんて偉いね。ありがとう。」
と言われ清々しくなりました。最初は嫌々だったけれど、ありがとうと笑顔で言われると私も笑顔になり、 終わった時にはやって良かったと思えるようになりました。
  それから私は、学校でのボランティアにも参加しました。赤い羽根募金やクリスマス会でのケーキ配り、 餅つき会の手伝い。どれも楽ではありませんでしたが、多くの笑顔にやりがいを感じました。
  私はこのボランティアでの経験を普段の生活にも生かしました。学校で移動教室の時に電気を消す、 窓を閉める。部活に早めに行き用具の準備をする。ささいな事ですが、ボランティアをする前よりも 色々な事に気がつく事ができるようになりました。また、これからはボランティアで得た気がつくというのを 伸ばせるよう生活したいと思います。困っている人に声をかけたり、場に応じた行動をしたりして周りの人が 笑顔になるようにしたいです。小さな気づきからボランティアで培った笑顔の輪を広げて行きたいと思います。
  ボランティアは、誰かのために活動して笑顔を生むものです。実際にやると、 人の優しさや笑顔を間近に見ることや新たな発見ができる素敵な活動であることに気がつきました。 ボランティアは、した人もされた人もその垣根を越えて笑顔になることのできるものなのです。
  さて、災害が多いことで知られる日本。2011年の東日本大震災、昨年発生した熊本地震、 また記憶に新しい九州北部豪雨など。その度に活躍するのがボランティアの方々です。 被災家屋のがれきの除去や清掃、救援物資の仕分け作業など数多くの場面で活動している姿を 私はニュースなどで目にしました。私はそんな方々を見て人と人とのつながりの深さ、 そして人の優しさに感動しました。それと同時に、私も「誰かのためを心から思って、 生きていけるような人になりたいと強く感じました。
  2020年には東京オリンピック、パラリンピックが開催されます。 ここでも様々なボランティアが必要とされるでしょう。日本人のおもてなしの心を生かした 優しさあふれる対応で笑顔の輪が、日本から世界中へと広がってほしいと思います。
 「誰かのためを思う」それこそが、これからの未来に笑顔をもたらして行くのだと、私は思っています。