おわりに 国際連合は、世界から戦争や貧しさで苦しむ人をひとりでも少なくし、民族や人種、性別、心身の障害などを理由にした差別や偏見をなくすための活動を続けています。こうした活動を支えているのは、人間には誰にでも尊厳があり、同じように大切にされなければならないという考え方です。すべての人の人権を守るということです。 「子どもの権利条約」も、こうした考えに基づいて、国連の活動の一環として作られました。 戦争や飢え、災害などの時には、いつも多くの子どもが犠牲になります。また、戦争がなく経済的に豊かだと思われている国でも、いじめで嫌な思いをしていたり、自殺で命を落す子どももいます。豊かな国でも貧しい国でも、それぞれの事情で苦しんでいる子どもがたくさんいます。こうした中で、それぞれの子どもが本来持っている権利とは何か、子どもはどのように大切にされなければならないのかを、条約(国と国との約束)として規定することは、とても大切なことです。良い社会を作る一歩になるからです。 皆さん、子どもの権利条約に示された自分の権利を、大切にしてください。そして、同じように他人も大切にしてください。すべての人は同じように大切にされなければならないということが、権利という考え方の基礎にあるからです。どの国にも、苦しんでいる子どもがいます。大人や国が何をしなければならないのか、自分が大人になったときに何をすべきか、そしていま自分や友達どうしで何かできることはないか、ぜひ考えてみてください。 |
北海道では、平成16年10月に「北海道子ども未来づくり条例」を制定し、 「子どもの権利や利益の尊重」を大切にしていくこととしています。 |
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